ジョルジオ アルマーニ 2010年 秋冬 メンズウェア

「ロマンティック・フューチャー」と題されたこのコレクションは、テクニカルでストラクチャードなアプローチで構想され、明確な倫理的価値観と一貫した美学をベースに構築されています。シルエットには無駄がなく、規律があり、「ロマンティック・フューチャー」のコンセプトに基づいています。そこでは、ミリタリーウェアの正確さが、ベレー帽、メガネ、シープスキンのゲートルといった意外性のある要素によって相殺され、機能的でありながらも洗練されたエレガンスが生み出されています。過去のデザインを引き合いに出すことやポール・ポワレへのオマージュが、実用的で汎用性の高いアイテムに落とし込まれています。

鍵を握るのが、素材のイノベーション。シャープに仕立てられたパンツには家具用の布地が、自然な襟型のシャツやジャケットにはジャージー素材が使われ、切りっぱなしのシープスキンにはアルマーニのマイクロプリントが施され、軽量でありながら高性能なコートにはネオプレンを貼り合わせたレザーが使われています。スポーツウェアとテーラリングが、フィット感と耐久性を重視したコンパクトで機能的なアイテムの中で融合しています。ベルベットのバンドやデニムにあしらわれたパイピングといったテクニカルなディテールが洗練の度合いを高め、その集大成として、ジョルジオ・アルマーニが、その光を反射する特性と美しい構造を保ちながら快適な着心地をもたらすことを理由に好む素材である「ベルベット」のみを用いたジャケットとパンツが登場しています。