ジョルジオ アルマーニ 1994年 秋冬 ウィメンズウェア

このコレクションでは、「暗示された身体」というコンセプトに基づいた美学が展開されています。ここでの女性のイメージの表現では、女性的な部分を露骨に示すことも、女性的な特徴を男性化することも避けられています。節度があり、ささやきかけるような、新しいエレガンスの概念が出現し、軽やかさ、透明感、繊細さの中にその表現手段を見出しています。ラインは細く、包み込むように仕立てられ、ボリュームは必要最小限。カラーパレットは、ダスティでソフトな、押し付けがましくなく、むしろ自然に浮かび上がるように感じられる、暖色系のニュートラルなトーンを基調にしています。

素材選びは、ふわふわした軽量ウール、鮮やかな表面を湛えるデヴォレベルベット、光の加減で変化する光沢を放つダマスクシルク、柔らかなシェニールなど、この希薄化への志向を裏付けています。それぞれの生地が、不透明さと透明さ、密度の濃さと軽やかさとの間に絶え間なく生まれる緊張感を通して、ほのめかすようなプレシャス感を生み出すことに貢献しています。イブニングウェアを占めているのは、まるで第二の肌のように仕立てられた彫刻を思わせるドレスに包まれることで表現されている、幻想的ともいえる身体像。それは、幽玄なまでに繊細な刺繍のネットや、クリスタルと光の点がちりばめられた触感のある表面から成り、記号、反射、きらめく断片でできたアルファベットを身体の上に描いているかのようです。