ジョルジオ アルマーニ 1990年 秋冬 ウィメンズウェア

このコレクションは、ジャケットの再構築にまつわるアヴァンギャルドな緊張感、モンゴルのイメージへの言及、清朝中国の洗練された情景の喚起という流動的に絡み合う3つの美的テーマを中心に展開されています。こうした要素は吸収され、参照の多層的なレイヤリングと日常着と儀式的な服装との連続性を重視するスタイル言語へと再構成されています。

1つ目のテーマは、テーラリングの形態と機能を探ることで表現されています。ジャケットは脱構築され、プロポーションが再定義され、ピンストライプ、プリンス・オブ・ウェールズ・チェック、ヘリンボーンといった伝統的な生地で仕立てた、マスキュリンなカットを特徴とするパンツやシャツと組み合わされています。イブニングウェアでは、実験的な試みがベルベットやサテンなど、より豪華で光沢のある素材を使ったものへと移行し、1920年代のすっきりと洗練された幾何学的なデザインをさりげなく想起させます。

2つ目の核となるテーマは、丸みを帯びたコート、シルクのブラウス、レギンスを思わせるフィットしたパンツを通じて、保護（プロテクション）と柔らかさ（ソフトネス）の美学を探求します。そのカラーパレットは、焼け焦げた大地、冷たい霧、風景が秘める静かな力強さに着想を得ています。動きの中に宿るフェミニンさという示唆的表現が、素材との対話を通じて、生地とシルエットを決める際の指針となっています。

第3のテーマは、イブニングウェアの提案として登場し、ここでは、エレガンスがスレンダーなシェイプとバランスの取れたデザイン構成によって成り立っています。ルダンゴトコートやクロスしたネックラインは、虹色に反射する豪華なシルクで仕立てられ、鮮やかな色彩のディテールや光を控えめに捉える刺繍で装飾されています。その結果、歴史の記憶、サルトリアルな仕立ての構成、優雅さに対する現代的なビジョンが洗練された形で融合しています。